Japanese
English
症例報告
足底慢性膿皮症より生じた有棘細胞癌の1例
A Case of Squamous Cell Carcinoma Originated from Chronic Pyoderma of the Sole
安達 智江
1
,
斎藤 次郎
1
,
江口 奈緒美
1
,
寄藤 和彦
1
,
小林 まさ子
1
,
藤田 優
1
Tomoe ADACHI
1
,
Jiro SAITO
1
,
Naomi EGUCHI
1
,
Kazuhiko YORIFUJI
1
,
Masako KOBAYASHI
1
,
Masaru FUJITA
1
1千葉大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Chiba University School of Medicine
キーワード:
足底
,
慢性膿皮症
,
有棘細胞癌
Keyword:
足底
,
慢性膿皮症
,
有棘細胞癌
pp.1121-1123
発行日 1993年11月1日
Published Date 1993/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901057
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46歳,男.農業に従事している.約5年前より左踵部に角化性変化を生じた.3年前より排膿を繰り返し,半年前より同部が隆起してきた.皮膚生検にて一部に有棘細胞癌(以下SCC)を認め,術前化学療法と腫瘍切除術を施行した.足底踵部という部位の特殊性のため,再建はmedial plantar flapにて行った.組織学的に上皮様の嚢腫壁が不規則に陥入して瘻孔を形成し,その下方に連続してlow grade-SCCを認めた.外傷などによる表皮迷入により発生し,歩行などの物理的刺激が加わるうちに複雑な瘻孔を形成して慢性膿皮症の状態となり,さらには悪性化を来すに至った症例と考えられた.
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