Japanese
English
症例
静脈還流障害との関連を示唆したリポイド類壊死症
-―自験7例の検討を含めて―
Necrobiosis lipoidica suggesting an association with impaired venous return:a case report and a review of 7 cases
竹内 瑞希
1
,
寺木 祐一
1
Mizuki TAKEUCHI
1
,
Yuichi TERAKI
1
1埼玉医科大学総合医療センター,皮膚科(主任:寺木祐一准教授)
キーワード:
リポイド類壊死症
,
糖尿病
,
静脈還流障害
Keyword:
リポイド類壊死症
,
糖尿病
,
静脈還流障害
pp.653-657
発行日 2023年5月1日
Published Date 2023/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003910
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
56歳,女性。両下腿に中心部萎縮傾向のある紅褐色局面が多発した。病理組織学的に,真皮に膠原線維の変性があり,それを取り囲むように多核巨細胞,組織球,リンパ球,形質細胞が浸潤し,柵状肉芽腫の形成がみられ,リポイド類壊死症と診断した。糖尿病の既往はなし。下腿に静脈瘤があり,下肢静脈超音波にて右下腿病変部の大伏在静脈領域末梢血管に血栓を認めた。今回報告例を含め,自施設で2009~2020年の11年間に7例の糖尿病既往がないリポイド類壊死症を経験し,発症因子を検討した。患者は47~63歳,全例女性であった。6例に下腿の浮腫や静脈瘤,表在血管血栓などの所見があり,発症基盤として下腿の静脈還流障害が関与している可能性が推察された。
Copyright © 2023, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.