特集 肉芽腫症
潰瘍化したリポイド類壊死症
斉藤 彬
1
,
石井 良征
1
,
藤本 学
1
1筑波大学医学医療系,皮膚科(主任:藤本 学教授)
キーワード:
リポイド類壊死症
,
潰瘍化
,
トラニラスト
Keyword:
リポイド類壊死症
,
潰瘍化
,
トラニラスト
pp.1815-1817
発行日 2017年11月1日
Published Date 2017/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000346
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48 歳,女性。10 年前より両下腿に萎縮性の紅褐色局面が出現,徐々に拡大した。リポイド類壊死症の診断で加療していたが,初診の2 年後に痒みとともに局面内に円形の潰瘍が多発した。病理組織学的には真皮全層に膠原線維の変性と巣状の炎症細胞浸潤がみられ,リポイド類壊死症の潰瘍化と診断した。ベラプロストナトリウム,スルファジアジン銀クリーム外用で加療したが改善に乏しく,トラニラスト内服を追加して比較的速やかに上皮化した。潰瘍化したリポイド類壊死症に対して確立された治療はなく,通常は難治であると考えられるが,自験例ではトラニラスト内服が有効であった。
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