特集 鑑別に苦慮した皮膚病(2)
臨床例
リポイド類壊死症と鑑別を要した皮下型皮膚サルコイド
角田 梨沙
1
,
安西 秀美
1川崎市立井田病院 皮膚科
キーワード:
Steroids
,
強皮症-限局性
,
鑑別診断
,
多剤併用療法
,
経口投与
,
経皮投与
,
皮膚疾患-下肢
,
リポイド類壊死症
,
肉芽腫-環状
,
Tranilast
,
サルコイドーシス-皮膚
Keyword:
Administration, Cutaneous
,
Administration, Oral
,
Diagnosis, Differential
,
Drug Therapy, Combination
,
Leg Dermatoses
,
Necrobiosis Lipoidica
,
Scleroderma, Localized
,
Steroids
,
Granuloma Annulare
,
Tranilast
pp.623-626
発行日 2016年6月1日
Published Date 2016/6/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2016271496
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<症例のポイント>両下腿に板状の皮下硬結を伴うリポイド類壊死症様の淡褐色局面を呈し、病理組織学的に皮下脂肪織に肉芽腫の形成が認められた1例を経験した。糖尿病のほか明らかな全身症状を伴わず、他の肉芽腫性疾患、とくにリポイド類壊死症との鑑別に苦慮したが、病理組織学的に病変の局在、とくに真皮病変の有無、類壊死および血管病変やムチン沈着の有無が他の肉芽腫性疾患との鑑別の決め手となり、皮下型皮膚サルコイドと診断した。板状の皮下硬結を呈する皮下型皮膚サルコイドは、中年以降の女性の四肢に好発し、糖尿病を合併しやすいとされているが、自験例もこれに合致した。Adipophilin染色による脂肪滴の分布が他の肉芽腫性疾患との鑑別に役立つ可能性も示唆された。
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