Japanese
English
特集 真菌症
熱傷瘢痕に続発した固定型スポロトリコーシスの1例
Fixed type of sporotrichosis developing on burn scar
須田 記代香
1
,
神﨑 美玲
1
,
岩井 もなみ
1
,
須田 安由美
1
,
尾澤 英彦
2
,
川内 康弘
1
Kiyoka SUDA
1
,
Mirei KANZAKI
1
,
Monami IWAI
1
,
Ayumi SUDA
1
,
Hidehiko OZAWA
2
,
Yasuhiro KAWACHI
1
1東京医科大学茨城医療センター,皮膚科(主任:川内康弘教授)
2いなしきクリニック,稲敷市
キーワード:
深在性皮膚真菌症
,
スポロトリコーシス
,
Sporothrix schenckii complex
,
熱傷瘢痕
,
スポロトリキン反応
Keyword:
深在性皮膚真菌症
,
スポロトリコーシス
,
Sporothrix schenckii complex
,
熱傷瘢痕
,
スポロトリキン反応
pp.174-178
発行日 2023年2月1日
Published Date 2023/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003761
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62歳,女性,農業従事者。4年前,右前腕に熱傷を受傷し難治性の潰瘍となった。保存的治療により一旦は上皮化したが,1カ月前,同部位に紅色浸潤局面が出現した。ステロイド外用に反応せず,深在性真菌症や皮膚抗酸菌感染症などが疑われた。スポロトリキン反応が陽性を示し,病理組織学的には真皮内に類上皮細胞やLanghans型巨細胞を混じる肉芽腫を形成していた。PAS染色では,巨細胞内に球形の菌体が検出された。組織培養でSporothrix schenckii complexが分離同定され,固定型スポロトリコーシスと診断した。単発性で小型の病変であったため外科的に全切除し,その後の再発はない。露出部に難治な皮膚病変をみた際には,本症を念頭に置いて精査すべきである。
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