Japanese
English
症例
虫刺症と外傷を契機に発症したと考えられる限局型皮膚ノカルジア症の2例
Two cases of localized type cutaneous nocardiosis:one appearing after insect bite and one after skin trauma
浦上 揚介
1
,
林 宏明
2
,
山本 剛伸
1
,
田中 了
2
,
青山 裕美
2
,
藤本 亘
3
Yosuke URAKAMI
1
,
Hiroaki HAYASHI
2
,
Takenobu YAMAMOTO
1
,
Ryo TANAKA
2
,
Yumi AOYAMA
2
,
Wataru FUJIMOTO
3
1川崎医科大学総合医療センター,皮膚科(主任:山本剛伸准教授)
2川崎医科大学,皮膚科学教室(主任:青山裕美教授)
3ふじもと皮ふ科医院,岡山市
キーワード:
ノカルジア症
,
限局型皮膚ノカルジア症
,
Nocardia brasiliensis
,
Nocardia farcinica
,
放線菌
Keyword:
ノカルジア症
,
限局型皮膚ノカルジア症
,
Nocardia brasiliensis
,
Nocardia farcinica
,
放線菌
pp.128-133
発行日 2023年1月1日
Published Date 2023/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003734
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
症例1:56歳,男性。右下腿に排膿を伴う小結節があり,膿培養と16S rRNA遺伝子シークエンスにてNocardia farcinicaを同定した。症例2:79歳,男性。両下肢に虫刺症,左大腿部外側に皮下硬結があり,生検にて排膿を認め,同様の検査にてNocardia brasiliensisを同定した。Nocardiaの皮膚感染症はまれであり,感染による徴候,症状は非特異的であるため初期の診断,治療が困難である。今回われわれは,擦過傷と虫刺による皮膚ノカルジア感染症2例を経験した。2例とも免疫抑制薬内服中であり,低用量ステロイド投与中の患者に限局型皮膚ノカルジア症が発症しうることを示した。本症の診断には膿培養と16S rRNA遺伝子シークエンスが必須である。
Copyright © 2023, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.