Japanese
English
症例報告
多発皮下膿瘍を呈したNocardia farcinicaによる皮膚ノカルジア症の1例
A case of multiple subcutaneous abscesses due to Nocardia farcinica
福島 桂子
1
,
蒲澤 美代子
1
,
石藤 智子
2
,
甲斐 浩通
1
Keiko FUKUSHIMA
1
,
Miyoko KABASAWA
1
,
Tomoko ISHIFUJI
2
,
Hiromichi KAI
1
1河北総合病院皮膚科
2河北総合病院感染症内科
1Devision of Dermatology, Kawakita General Hospital, Tokyo, Japan
2Division of Medicine and Infectious Diseases, Kawakita General Hospital, Tokyo, Japan
キーワード:
ノカルジア症
,
皮膚ノカルジア症
,
Nocardia farcinica
,
免疫抑制状態
Keyword:
ノカルジア症
,
皮膚ノカルジア症
,
Nocardia farcinica
,
免疫抑制状態
pp.353-357
発行日 2020年4月1日
Published Date 2020/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205994
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要約 95歳,男性.前立腺癌に対しプレドニゾロン内服中,数週間の経過で左前胸部と左前腕の皮下腫瘤が出現し,その後増大した.左前腕部の生検時に多量の排膿があった.膿培養で生えたコロニーの質量分析によりNocardia farcinicaが同定され,皮膚以外に明らかな感染部位はなく,同菌による皮膚リンパ型ノカルジア症と診断した.感受性のあったスルファメトキサゾール・トリメトプリム合剤とミノサイクリンで治療し再燃認めていない.免疫抑制状態の患者の皮膚病変は,ノカルジア症を含む日和見感染症の可能性を考え各種培養とその感受性試験を提出することが大切である.特にNocardiaは菌種により薬剤感受性が異なることから,菌種まで同定し,その感受性試験が出るまでの間は,疫学的な薬剤感受性を考慮した抗菌薬の選択を行うことが重要である.
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