Japanese
English
症例
自己免疫性水疱症との鑑別を要した多形紅斑
-―バルサルタン長期内服の関与が疑われた1例―
Erythema multiforme mimicking autoimmune bullous dermatosis associated with long-term administration of valsartan
竹田 恵子
1
,
本間 大
1
,
菅野 恭子
1
,
山本 明美
1
Keiko TAKEDA
1
,
Masaru HONMA
1
,
Kyoko KANNO
1
,
Akemi ISHIDA-YAMAMOTO
1
1旭川医科大学,皮膚科学講座(主任:山本明美教授)
キーワード:
多形紅斑
,
水疱
,
Köbner現象
,
バルサルタン
Keyword:
多形紅斑
,
水疱
,
Köbner現象
,
バルサルタン
pp.2129-2132
発行日 2022年12月1日
Published Date 2022/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003677
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86歳,女性。高血圧症に対し,15年以上のバルサルタンの内服歴がある。初診の4日前から,足趾に水疱,びらんを生じ,次第に体幹,頭部へ同様の皮疹が拡大した。病理組織学的に表皮下水疱と接合部型皮膚炎の像がみられた。抗基底膜抗体は陰性で,薬剤リンパ球刺激試験ではバルサルタンに対し陽性を呈した。バルサルタン投与中止後,比較的速やかに皮疹は改善し,臨床所見および経過からバルサルタンによる多形紅斑型薬疹と診断した。自験例では水疱形成が顕著で,臨床的には自己免疫性水疱症との鑑別を要した。また,バルサルタンを含むアンギオテンシンⅡ受容体拮抗薬では長期の薬剤内服を経て薬疹を発症することがあり,注意が必要である。
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