Japanese
English
症例報告
サイトメガロウイルス感染および手足口病の関与が示唆された多形紅斑の1例
A case of erythema multiforme associated with cytomegalovirus infection and hand foot mouth disease
野崎 尋意
1
,
加藤 直樹
1
,
堀 仁子
2
,
本間 大
2
,
山本 明美
2
Hiroyoshi NOZAKI
1
,
Naoki KATO
1
,
Masako MINAMI-HORI
2
,
Masaru HONMA
2
,
Akemi ISHIDA-YAMAMOTO
2
1市立稚内病院皮膚科
2旭川医科大学皮膚科学講座
1Division of Dermatology, Wakkanai city hospital, Wakkanai, Japan
2Department of Dermatology, Asahikawa Medical University, Asahikawa, Japan
キーワード:
サイトメガロウイルス
,
多形紅斑
,
爪甲脱落
,
コクサッキーウイルスA6型
,
手足口病
Keyword:
サイトメガロウイルス
,
多形紅斑
,
爪甲脱落
,
コクサッキーウイルスA6型
,
手足口病
pp.797-801
発行日 2019年9月1日
Published Date 2019/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205842
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要約 40歳,男性.38℃台の発熱,咽頭痛,咳嗽および下顎,両掌蹠を含む略全身に紅斑が出現.抗菌薬で改善しないため,当科を受診した.皮疹,炎症反応,ASO高値から,当初は溶連菌感染に伴う多形紅斑(erythema multiforme:EM)を疑ったが,SBT/ABPCが無効の経過および各種検査結果からサイトメガロウイルス感染に伴うEMと診断した.しかし,入院中の舌潰瘍新生,当科受診1か月後の全手指,足趾の爪甲剝離といった臨床像,非典型的な臨床経過および病理組織学的所見から,本症例の病態にはコクサッキーウイルスA6型手足口病が関連していたのではないかと推測した.EMは日常皮膚科診療において頻度の高い疾患の1つではあるが,典型的な経過をたどる場合には,他疾患の合併や複数の誘因を念頭に置き,検索を行うことが重要で,病理組織学的所見が病因を推定するうえで重要である.
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