Japanese
English
症例
ヒル咬傷が原因と思われる多形紅斑の1例
Erythema multiforme seems to be caused by leech bite
飯島 孝四郎
1
,
伊藤 理恵
1
Koshiro IIJIMA
1
,
Rie ITO
1
1埼玉協同病院,皮膚科(主任:伊藤理恵部長)
キーワード:
ヤマビル
,
多形紅斑
Keyword:
ヤマビル
,
多形紅斑
pp.123-126
発行日 2021年1月1日
Published Date 2021/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002364
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
35歳,男性。8月下旬,栃木県の湿地滞にてヤマビルに両下腿を吸血された。その12日後より,前腕,背部,大腿部に多形紅斑が出現した。発熱などの全身症状は伴わなかった。ステロイド軟膏を外用し,消退した。ヒル咬傷自体は一般的な吸血害虫被害であるが,咬傷部位は容易に治癒し,その合併症もほとんどないことから医療機関を受診することは少ない。本邦においてヒル咬傷による多形紅斑を生じた症例は自験例のみであり,非常にまれな症例と思われた。しかし,昨今の地球温暖化や各地で頻発する水害によりヒル生息域の拡大が懸念されており,今後,多形紅斑以外にも多彩な皮膚症状を呈するヒル咬傷の症例が増加する恐れもある。
Copyright © 2021, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.