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特集 皮膚科領域における細菌・抗酸菌感染症の最新トピックス
症例報告
診断に難渋した左耳介に生じたBuruli潰瘍の1例
Buruli ulcer of the left external ear with diagnostic difficulties
大井 梨紗子
1
,
榊原 章浩
1
,
影山 潮人
1
,
大河内 智子
1
,
原 真望
1
,
鈴木 大介
2
Risako OI
1
,
Akihiro SAKAKIBARA
1
,
Shioto KAGEYAMA
1
,
Satoko OKOCHI
1
,
Mami HARA
1
,
Daisuke SUZUKI
2
1安城更生病院,皮膚科(主任:榊原章浩代表部長代理)
2同,感染症内科
キーワード:
耳介壊疽
,
Buruli潰瘍
,
非結核性抗酸菌症
Keyword:
耳介壊疽
,
Buruli潰瘍
,
非結核性抗酸菌症
pp.1977-1980
発行日 2022年11月1日
Published Date 2022/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003632
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70歳,女性。既往に糖尿病があった。初診1カ月前から左耳介に発赤,腫脹が出現した。前医にて細菌感染を疑われ抗菌薬を処方されたが,黒色壊死部が出現したため当院を紹介受診した。帯状疱疹の二次感染や糖尿病性壊疽を鑑別に抗ウイルス薬と抗菌薬を投与したが,耳介の黒色壊死部が拡大したため,左耳介を切除した。その後,左頰部に数カ所の深い皮膚潰瘍が出現した。複数回の抗酸菌培養にて塗抹結果は陽性であるが,病原菌の分離に至らず,結核予防会結核研究所に検体を提出し,PCR法でMycobacterium ulceransを検出したためBuruli潰瘍と診断した。Buruli潰瘍は診察する医師が鑑別にあげなければ診断が難しく,皮膚潰瘍が治療抵抗性であれば抗酸菌感染症を疑う必要があると考える。
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