Japanese
English
症例
背部の紅斑からIgG4関連皮膚疾患と診断した1例
IgG4-related skin disease diagnosed from erythema on the back
大井 梨紗子
1
,
榊原 章浩
1
,
影山 潮人
1
,
大河内 智子
1
,
河野 通浩
2
Risako OI
1
,
Akihiro SAKAKIBARA
1
,
Shioto KAGEYAMA
1
,
Satoko OKOCHI
1
,
Michihiro KONO
2
1安城更生病院,皮膚科(主任:榊原章浩代表部長)
2名古屋大学医学部,皮膚科
キーワード:
IgG4関連疾患
,
悪性腫瘍
Keyword:
IgG4関連疾患
,
悪性腫瘍
pp.683-686
発行日 2021年5月1日
Published Date 2021/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002552
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65歳,男性。初診3年前から自覚している背部を中心とした瘙痒を伴う皮疹を主訴に来院した。背部に硬結を触れる紅斑,紅色丘疹,色素沈着を認めた。リンパ腫などを疑い皮膚生検,採血,CT撮影を行ったが,診断を確定できなかった。背部の紅斑から皮膚生検を施行したところ,真皮上層から下層の血管周囲にリンパ球・形質細胞を主体とする密な炎症細胞浸潤を認めた。IgG4関連疾患を鑑別にあげ再度採血したところ,IgG,IgG4ともに高値を示したためIgG4関連皮膚疾患と診断した。初診から10カ月後にS状結腸癌と診断され,外科で手術を受けた。IgG4関連疾患は悪性腫瘍の合併が有意に高いとされ,診断1年以内に発見されることが多いため全身検索が重要である。
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