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特集 皮膚科領域における細菌・抗酸菌感染症の最新トピックス
症例報告
迅速かつ緻密な各科連携と外科的介入により救命し得た劇症型溶血性レンサ球菌感染症の1例
Fluminant hemolytic streptococcal infection successfully treated with rapid and careful cooperation of relevant clinical departments
井上 禎夫
1
,
塚田 鏡寿
2
,
齊藤 美穂
1
,
金子 ゆき
1
,
金井 美馬
1
,
鈴木 利宏
1
,
土屋 翠子
3
,
井川 健
1
Sadao INOUE
1
,
Kyouju TSUKADA
2
,
Miho SAITO
1
,
Yuki KANEKO
1
,
Miuma KANAI
1
,
Toshihiro SUZUKI
1
,
Midori TSUCHIYA
3
,
Ken IGAWA
1
1獨協医科大学病院,皮膚科(主任:井川 健教授)
2新小山市民病院,皮膚科
3宇都宮記念病院,救急科
キーワード:
劇症型溶連性レンサ球菌感染症
,
壊死性筋膜炎
,
壊死性軟部組織感染症
,
A群β溶血性レンサ球菌
Keyword:
劇症型溶連性レンサ球菌感染症
,
壊死性筋膜炎
,
壊死性軟部組織感染症
,
A群β溶血性レンサ球菌
pp.1931-1936
発行日 2022年11月1日
Published Date 2022/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003622
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64歳,女性。前日に出現した右上腕の疼痛で近医を受診した。疼痛の急速な増悪,紅斑とショック症状が出現し壊死性軟部組織感染症および敗血症性ショックの疑いで当院へ救急搬送された。初診時,右肩の激痛を伴う手掌大の紅斑は急速に拡大した。循環作動薬の高容量投与にもかかわらず状態は安定せず,救急救命科および麻酔科の協力のもと,試験切開は省略しデブリードマンを施行した。術後より循環動態は安定した。初診12日後に分層網状植皮術で創部再建し,初診40日後に自宅退院した。血液培養よりA群β溶血性レンサ球菌を検出し,劇症型溶血性レンサ球菌感染症とそれに伴う壊死性軟部組織感染症と確定診断した。可及的早期の迅速かつ緻密な各科連携,外科的介入により救命に成功した。
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