Japanese
English
症例報告
全身および外用ステロイド投与によりニューモシスチス肺炎を合併した毛孔性紅色粃糠疹の1例
A case of pityriasis rubra pilaris that developed pneumocystis pneumonia by treatment with systemic and topical corticosteroid
炭竈 晏奈
1
,
市來 尚久
1
,
藤井 建人
1
,
松山 かなこ
1
,
水谷 陽子
1
,
五明 岳展
2
,
宮﨑 龍彦
3
,
周 円
1
Anna SUMIGAMA
1
,
Naohisa ICHIKI
1
,
Kento FUJII
1
,
Kanako MATSUYAMA
1
,
Yoko MIZUTANI
1
,
Takenori GOMYO
2
,
Tatsuhiko MIYAZAKI
3
,
En SHU
1
1岐阜大学医学部皮膚科
2岐阜大学医学部呼吸器内科
3岐阜大学病院病理部
1Department of Dermatology, Gifu University Graduate School of Medicine, Gifu, Japan
2Department of Cardiology and Respirology, Gifu University Graduate School of Medicine, Gifu, Japan
3Department of Pathology, Gifu University Hospital, Gifu, Japan
キーワード:
毛孔性紅色粃糠疹
,
ニューモシスチス肺炎
,
副腎皮質ステロイド
,
日和見感染
Keyword:
毛孔性紅色粃糠疹
,
ニューモシスチス肺炎
,
副腎皮質ステロイド
,
日和見感染
pp.231-236
発行日 2023年3月1日
Published Date 2023/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206917
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要約 59歳,男性.約1年前から頭皮に紅斑が出現し,前々医でステロイド外用薬を処方されたが改善しなかった.5週間前に眼瞼の腫脹が出現し,3週間前から全身に鱗屑を伴う紅斑を認めたため,前医でベタメタゾン(BTM) 4 mg/日内服で加療されたが悪化し当科を受診した.皮膚の組織学的所見と合わせ毛孔性紅色粃糠疹と診断した.クロベタゾールプロピオン酸エステル・ワセリン混合剤,活性型ビタミンD3外用とエトレチナート30 mg/日内服で紅斑は軽快した.BTMは漸減し1か月で終了した.BTM終了1週間後に発熱,胸部CTで両上葉にスリガラス陰影があり,喀出痰からニューモシスチスカリニDNAが陽性で,ニューモシスチス肺炎と診断した.紅皮症のためステロイド外用剤の経皮吸収が亢進している症例では,比較的短期のステロイド内服期間であっても,生物学的半減期や外用剤による経皮的吸収量も考慮し日和見感染の予防としてST合剤の予防投与が必要であると考えた.
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