Japanese
English
症例報告
食道癌を伴ったBazex症候群の1例―本邦および海外報告例の比較検討
A case of Bazex's syndrome with esophageal carcinoma:Review of the Japanese and oversea's literatures
森 志朋
1
,
高橋 和宏
1
,
赤坂 俊英
1
Shiho MORI
1
,
Kazuhiro TAKAHASHI
1
,
Toshihide AKASAKA
1
1岩手医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Iwate Medical University, Morioka, Japan
キーワード:
Bazex症候群
,
食道癌
,
デルマドローム
,
扁平上皮癌
,
腺癌
Keyword:
Bazex症候群
,
食道癌
,
デルマドローム
,
扁平上皮癌
,
腺癌
pp.461-464
発行日 2013年5月1日
Published Date 2013/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103677
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要約 41歳,男性.34歳時より両手足と下腿に皮疹が出現し近医で尋常性乾癬の診断で外用治療をしていた.難治であり2009年5月に当科を初診した.初診時,手指腹側と手掌の一部,手指爪囲に掻痒を伴わない落屑性角化性紅斑を認め爪甲は変形していた.他部や足部に皮疹はなかった.Bazex症候群を疑い血液検査を施行したところ,CEA 5.0ng/ml,SCC抗原2.9ng/mlと高値であった.2011年2月,嚥下困難と頸部の腫脹が出現し,当院消化器内科での諸検査で左頸部リンパ節・左鎖骨上窩リンパ節から縦隔・腹部大動脈リンパ節転移を伴う食道癌T4N1M1b Stage IVB(扁平上皮癌)と判明しシスプラチン,テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤,ドセタキセル水和物による化学療法を開始した.転移巣の増大増数があり8月永眠した.Bazex症候群に合併する悪性腫瘍につき自験例を含めた本邦報告34例と海外報告145例を比較検討した.合併する悪性腫瘍の組織型は本邦では扁平上皮癌と腺癌が同割合であったのに対し,海外では扁平上皮癌が圧倒的多数を占めていた.
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