Japanese
English
症例報告
皮膚所見により肝内胆管癌の診断に至ったBazex症候群の1例
A case of Bazex syndrome accompanied by intrahepatic cholangiocarcinoma
杉浦 美月
1
,
岩田 洋平
1
,
田中 義人
1
,
杉浦 一充
1
Mizuki SUGIURA
1
,
Yohei IWATA
1
,
Yoshihito TANAKA
1
,
Kazumitsu SUGIURA
1
1藤田医科大学医学部皮膚科学
1Department of Dermatology, Fujita Health University School of Medicine, Toyoake, Japan
キーワード:
Bazex症候群
,
腫瘍随伴性先端角化症
,
デルマドローム
,
肝内胆管癌
,
EGF
Keyword:
Bazex症候群
,
腫瘍随伴性先端角化症
,
デルマドローム
,
肝内胆管癌
,
EGF
pp.795-801
発行日 2023年9月1日
Published Date 2023/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207098
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要約 75歳,男性.初診の数年前から両手掌と足底に角化を伴う紅斑が,7か月前からは体幹・四肢にも紅斑が出現した.初診時,両手掌・足底の角化を伴う紅斑と落屑,爪の肥厚と変形,体幹・四肢の鱗屑を伴う紅斑を認めた.顔面にも脂漏性皮膚炎様の鱗屑を伴う紅色局面を認めた.血液検査で血清CEA値の上昇を認め,画像検査により肝内胆管癌と診断された.術前化学療法としてテガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤の内服を開始したところ,腫瘍は著明に縮小し,腫瘍マーカーも低下した.手掌・足底の皮疹も治療に伴い著明な改善を認め,Bazex症候群と診断した.自験例では血清EGF値は治療前後で変化を認めなかった.治療に反応しない難治性の手掌・足底の過角化を認めた際にはBazex症候群を念頭に置く必要がある.
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