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特集 薬疹・薬物障害
ガベキサートメシル酸塩による遅発性皮膚障害の1例
Delayed-onset skin damage due to gabexate mesilate
渡邊 陽香
1
,
鈴木 大介
1
Haruka WATANABE
1
,
Daisuke SUZUKI
1
1公立昭和病院,皮膚科(主任:鈴木大介部長)
キーワード:
ガベキサートメシル酸塩
,
遅発性皮膚障害
Keyword:
ガベキサートメシル酸塩
,
遅発性皮膚障害
pp.1203-1206
発行日 2022年6月1日
Published Date 2022/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003378
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83歳,女性。急性胆囊炎に対し内視鏡的逆行性胆道膵管造影を施行後,右前腕の点滴刺入部に軽度の紅斑が出現した。症状は徐々に悪化し,施行後3週間の時点で熱感,疼痛を伴う硬結になった。病変の辺縁で静脈に沿った柵状の硬結を認め,薬剤による皮膚障害を考えた。問診によりガベキサートメシル酸塩(エフオーワイ®)が投与されたことが判明し,同薬による遅発性皮膚障害と診断した。ベタメタゾン局所注射で治療し,症状は改善した。ガベキサートメシル酸塩は,投与後2週間以上経過しても皮膚障害を生じうる薬剤である。薬剤による皮膚障害を疑った際には,遅発性の皮膚障害をきたす薬剤があることも念頭に置いて,原因薬を検索することが重要である。
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