Japanese
English
症例報告
高濃度メシル酸ガベキサート投与により壊死性筋膜炎様症状を呈した皮膚傷害の1例
A case of skin disorder simulating necrotizing fasciitis caused by the high concentration of gabexate mesilate
高橋 祐史
1
,
辻 真紀
2
,
今中 愛子
2
,
井上 千津子
2
Yuji TAKAHASHI
1
,
Maki TSUJI
2
,
Aiko IMANAKA
2
,
Chizuko INOUE
2
1関西労災病院皮膚科
2国家公務員共済組合連合会大手前病院皮膚科
1Department of Dermatology,Kansairousai Hospital,Amagasaki,Japan
2Department of Dermatology,Otemae Hospital,Osaka,Japan
キーワード:
メシル酸ガベキサート
,
皮膚傷害
,
壊死性筋膜炎
Keyword:
メシル酸ガベキサート
,
皮膚傷害
,
壊死性筋膜炎
pp.733-736
発行日 2009年9月1日
Published Date 2009/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102401
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要約 75歳,男性.メシル酸ガベキサート(エフオーワイ®)が高濃度(約3%)で左前腕より投与され,さらにルートを自己抜去した.その後,左前腕に急速に血管に沿って紫斑を混じた紅斑が出現し,ルート刺入部には白色壊死を生じた.エフオーワイ®による皮膚傷害と考え,ステロイド外用を行ったところ,急激に壊死性筋膜炎様の症状が出現した.創部の壊死組織よりMRSAを検出したが,試験切開で排膿はなく,感染による壊死性筋膜炎ではなくエフオーワイ®による皮膚傷害と考えた.さらに症状軽快後,紅斑は一部残存し軽度の掻痒を伴ったが,偶発的に生じた喘息発作に対するステロイド全身投与で軽快した.組織学的に好酸球浸潤が認められたことからエフオーワイ®に対するアレルギー性の組織傷害も合併していたと考えた.
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