Japanese
English
症例
四肢体幹に多発する紫斑と高度蛋白尿を呈し,副腎皮質ステロイドによる積極的治療を要したIgA血管炎
IgA vasculitis showing multiple purpura on the trunk and the limbs accompanied by severe proteinuria treated with high dose corticosteroid
川邉 瑠璃子
1
,
大森 一星
1
,
橋本 優希
1
,
三井 彩
1
,
津野 宏隆
2
,
荻原 秀樹
2
,
大松 華子
1
Ruriko KAWANABE
1
,
Issei OMORI
1
,
Yuki HASHIMOTO
1
,
Aya MITSUI
1
,
Hirotaka TSUNO
2
,
Hideki OGIHARA
2
,
Hanako OHMATSU
1
1国立病院機構相模原病院,皮膚科(主任:大松華子科長)
2同,リウマチ科
キーワード:
IgA血管炎
,
紫斑病性腎炎
,
急速進行性糸球体腎炎
,
蛍光抗体直接法
Keyword:
IgA血管炎
,
紫斑病性腎炎
,
急速進行性糸球体腎炎
,
蛍光抗体直接法
pp.1055-1059
発行日 2022年5月1日
Published Date 2022/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003334
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70歳,女性。4日前から増数,拡大する下肢の紫斑を主訴に受診した。初診時,両下肢に浸潤を触れる2cm大までの紫斑が多発した。腹痛,関節痛,蛋白尿はなかった。紫斑部からの生検では真皮小血管壁とその周囲に核塵を伴う好中球,リンパ球を多数認めた。蛍光抗体直接法では真皮小血管壁にC3とIgMの沈着を認めたが,IgAは陰性であった。初診7日目には上肢,体幹にも紫斑が新生し,腹痛,関節痛,蛋白尿を伴った。ANCAは陰性。IgA血管炎と診断しプレドニゾロン50mg/日内服するも腎症状が改善せず,ステロイドパルス療法後軽快したため,プレドニゾロンを漸減した。成人IgA血管炎ではひとたび腎症を生じると重症化しやすく,生じた際には早期から十分な治療をすべきである。
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