特集 病態から考える薬物療法
第Ⅱ章 蕁麻疹・血管性浮腫
1 蕁麻疹
水野 隼登
1
,
田中 暁生
1
Hayato MIZUNO
1
,
Akio TANAKA
1
1広島大学大学院医系科学研究科,皮膚科学
キーワード:
蕁麻疹
,
アレルギー
,
抗ヒスタミン薬
,
副腎皮質ステロイド薬
,
オマリズマブ
Keyword:
蕁麻疹
,
アレルギー
,
抗ヒスタミン薬
,
副腎皮質ステロイド薬
,
オマリズマブ
pp.652-657
発行日 2022年4月20日
Published Date 2022/4/20
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003242
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
蕁麻疹は日常診療でよく遭遇する疾患であり,瘙痒を伴った一過性の浮腫性紅斑や膨疹が出没を繰り返すことを特徴とする。その病態としては,一般に皮膚マスト細胞や好塩基球が何らかの機序により脱顆粒し,皮膚組織内に放出されたヒスタミンなどの化学伝達物質が皮膚微小血管と神経に作用して血管拡張(紅斑),血漿成分の漏出(膨疹)と痒みを生じることが中心である(図1)。しかし,皮膚マスト細胞や好塩基球が脱顆粒に至る刺激や分子メカニズムに関しては不明な点が多く,現在でも活発に研究が行われている。
Copyright © 2022, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.