Japanese
English
症例
遺残坐骨動脈により生じた足背部難治性皮膚潰瘍の1例
Intractable skin ulcer on the dorsum of the foot due to the persistent sciatic artery
水谷 友哉
1
,
石上 剛史
1
,
村尾 和俊
1
,
久保 宜明
1
,
中山 泰介
2
,
北市 隆
2
,
北川 哲也
2
,
毛山 剛
3
,
清家 卓也
3
,
中西 秀樹
3
Tomoya MIZUTANI
1
,
Takeshi ISHIGAMI
1
,
Kazutoshi MURAO
1
,
Yoshiaki KUBO
1
,
Taisuke NAKAYAMA
2
,
Takashi KITAICHI
2
,
Tetsuya KITAGAWA
2
,
Tsuyoshi KEYAMA
3
,
Takuya SEIKE
3
,
Hideki NAKANISHI
3
1徳島大学大学院医歯薬学研究部,皮膚科学分野(主任:久保宜明教授)
2同,心臓血管外科学分野
3同,形成外科学分野
キーワード:
遺残坐骨動脈
,
皮膚潰瘍
,
下肢虚血
Keyword:
遺残坐骨動脈
,
皮膚潰瘍
,
下肢虚血
pp.403-406
発行日 2022年3月1日
Published Date 2022/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003160
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53歳,男性。3カ月前頃から右足背に潰瘍が生じ,徐々に拡大してきた。当科初診時,右足背のほぼ全面に周囲が虫食い状を呈する潰瘍を認め,右足関節から足趾にはチアノーゼがみられた。また,右下肢は左側よりも明らかに萎縮していた。造影CT,血管造影で右遺残坐骨動脈を認め,右大腿動脈の低形成と膝窩動脈の高度狭窄も伴っていた。以上より,自験例を遺残坐骨動脈に伴う下肢虚血によって生じた難治性皮膚潰瘍と診断した。血行再建術を行ったあと,皮膚潰瘍に対しては陰圧閉鎖療法,分層植皮術を行った。下肢の難治性皮膚潰瘍の原因に,遺残坐骨動脈というまれな先天的血管異常があることをわれわれ皮膚科医も知っておく必要がある。
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