Japanese
English
症例報告
リンパ節転移を伴ったmucinous carcinoma of the skinの1例
A case of mucinous carcinoma of the skin with metastasis to the regional lymph nodes
仁木 真理子
1
,
松立 吉弘
1
,
村尾 和俊
1
,
久保 宜明
1
,
橋本 一郎
2
,
柏木 圭介
2
,
仙崎 雄一
2
,
中西 秀樹
2
Mariko NIKI
1
,
Yoshihiro MATSUDATE
1
,
Kazutoshi MURAO
1
,
Yoshiaki KUBO
1
,
Ichiro HASHIMOTO
2
,
Keisuke KASHIWAGI
2
,
Yuichi SENZAKI
2
,
Hideki NAKANISHI
2
1徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部皮膚科学分野
2徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部形成外科学分野
1Department of Dermatology, Institute of Health Biosciences, The University of Tokushima Graduate School, Tokushima, Japan
2Department of Plastic Surgery, Institute of Health Biosciences, The University of Tokushima Graduate School, Tokushima, Japan
キーワード:
Mucinous carcinoma of the skin
,
リンパ節転移
Keyword:
Mucinous carcinoma of the skin
,
リンパ節転移
pp.720-724
発行日 2014年8月1日
Published Date 2014/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412104104
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要約 61歳,女性.未治療の糖尿病あり.1年前に右側頭部の腫瘤が生じ,徐々に増大した.初診時,右側頭部に60×45×20mmのびらん・潰瘍を伴う紅色腫瘤を認めた.CA19-9 113U/ml.病理組織では,腫瘍は線維性隔壁に区切られ,この中にアルシアンブルー染色陽性の粘液様物質と卵円形で中等度の異型性を伴う腫瘍細胞塊がみられた.腫瘍細胞はサイトケラチン(CK)7陽性,CK20陰性で,内臓悪性腫瘍は認めなかった.Mucinous carcinoma of the skin(MCS)と診断し,辺縁より2cm離し,骨膜を含め切除した.センチネルリンパ節に転移があり,頸部リンパ節郭清術も行ったが,郭清したリンパ節のうち1個に転移があった.術後8か月目に,耳後部皮下にin transit転移を生じた.病理組織は原発巣とは異なり,粘液様物質のほとんど伴わない腫瘍細胞塊が主体であった.MCSは転移はまれで予後の良い腫瘍とされているが,大型で,表面に潰瘍を伴う場合や病理組織学的に粘液様物質の少ない腫瘍細胞塊がみられる場合には転移の可能性を念頭に置く必要がある.
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