Japanese
English
症例報告
偽癌性増殖を伴った皮膚未分化大細胞リンパ腫の1例
A case of cutaneous anaplastic large cell lymphoma with pseudocarcinomatous hyperplasia
松立 吉弘
1
,
木下 華子
1
,
水谷 友哉
1
,
村尾 和俊
1
,
久保 宜明
1
Yoshihiro MATSUDATE
1
,
Hanako KINOSHITA
1
,
Tomoya MIZUTANI
1
,
Kazutoshi MURAO
1
,
Yoshiaki KUBO
1
1徳島大学大学院医歯薬学研究部皮膚科学
1Department of Dermatology, Tokushima University Graduate School of Medical Science, Tokushima, Japan
キーワード:
偽癌性増殖
,
リンパ腫様丘疹症
,
皮膚未分化大細胞リンパ腫
,
原発性皮膚CD30陽性リンパ増殖異常症
Keyword:
偽癌性増殖
,
リンパ腫様丘疹症
,
皮膚未分化大細胞リンパ腫
,
原発性皮膚CD30陽性リンパ増殖異常症
pp.999-1004
発行日 2018年11月1日
Published Date 2018/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205574
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要約 61歳,男性.約30年前から軀幹四肢に丘疹が生じていた.7年前にリンパ腫様丘疹症と診断し,ステロイド外用で消退・再発を繰り返していた.今回,2週間前から左下腿前面に4×4cmのドーム状に隆起する紅色腫瘍が生じたため受診した.生検で有棘細胞癌を疑ったため,腫瘍辺縁より1cm離して切除した.病理組織では,表皮は著明な過角化と不規則な増殖を認めたが,下方への浸潤性増殖はなく,核異型は軽度で,核分裂像は少数であった.真皮に大型の異型細胞が密に浸潤しており,浸潤細胞の約95%はCD30陽性であった.以上より,偽癌性増殖を伴った皮膚未分化大細胞リンパ腫と診断した.腫瘍切除後に電子線を30Gy照射し,再燃なく経過している.原発性皮膚CD30陽性リンパ増殖異常症のうち,特に原発性皮膚未分化大細胞リンパ腫では,偽癌性増殖を伴うことがある.自然消退することが多いとされており,注意深く経過観察することも選択肢となりうると思われる.
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