Japanese
English
症例
指背に生じた黒癬の1例
Tinea nigra on the dorsal aspect of the finger
浦野 芳夫
1
,
武市 浩美
2
,
福原 耕作
3
Yoshio URANO
1
,
Hiromi TAKEICHI
2
,
Kosaku FUKUHARA
3
1徳島赤十字病院,皮膚科
2徳島大学大学院医歯薬学研究部,皮膚科学分野(主任:久保宜明教授)
3福原皮膚科,小松島市
キーワード:
黒癬
,
指伸側
,
Hortaea werneckii
,
好発部位
,
潜伏期間
Keyword:
黒癬
,
指伸側
,
Hortaea werneckii
,
好発部位
,
潜伏期間
pp.141-143
発行日 2022年1月1日
Published Date 2022/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003068
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
46歳,男性。硫黄島など日本各地で居住歴があった。約1年前に右小指伸側の米粒大褐色斑に気づいた。徐々に拡大し,初診時6×12mm大で鱗屑はなかった。剝がし取った角質の直接鏡検で,隔壁を有しやや褐色調の菌糸を認めた。真菌培養で黒色のコロニーが得られ,スライド培養では隔壁をもつ菌糸と菌糸の先端や側壁から1~2細胞性の楕円形分生子を認めた。Hortaea werneckiiによる黒癬と診断した。自験例は四国で2例目であるが,四国以外で感染した可能性も否定できなかった。黒癬の好発部位は掌蹠で指伸側での発生は非常にまれである。不必要な侵襲的検査を避けるためにも,好発部位以外に発生することを念頭に置く必要がある。
Copyright © 2022, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.