Japanese
English
症例報告
手掌に生じた黒癬の1例
A case of tinea nigra on the palm
大山 文悟
1,2
,
兵部 理恵
2
,
大山 勝郎
2
,
永尾 圭介
3
,
橋本 隆
1
Bungo OHYAMA
1,2
,
Rie HYOUBU
2
,
Katsuro OHYAMA
2
,
Keisuke NAGAO
3
,
Takashi HASHIMOTO
1
1久留米大学医学部皮膚科学教室
2大山皮膚科医院
3慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology,Kurume University School of Medicine,Kurume,Japan
2Ohyama Clinic of Dermatology,Kumamoto,Japan
3Department of Dermatology,Keio University School of Medicine,Tokyo,Japan
キーワード:
黒癬
,
手掌色素斑
,
温暖化
Keyword:
黒癬
,
手掌色素斑
,
温暖化
pp.510-512
発行日 2009年6月1日
Published Date 2009/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102351
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要約 17歳,女子高校生.約1年前より左手掌の色素斑に気付いていた.初診時に境界明瞭なピーナッツ型を呈する淡い黒色調の色素斑がみられた.直接鏡検にて特徴的な黒色調の短い菌糸状菌要素が多数みられ,真菌培養では黒褐色調の湿性酵母様集落を生じた.スライドカルチャーでは,密な隔壁をもつ菌糸とその側壁からの分生子産生を認めた.以上より,黒癬と診断した.さらに核ribosomal RNA遺伝子のITS領域をPCRで増幅し,Genebankで検索したところ,塩基配列がHortaea werneckiiと一致し,分子生物学的にも同定が裏付けられた.黒癬患者の報告例は東日本でも増加し,今後も増加するものと思われる.
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