Japanese
English
症例報告
手背に生じた脂肪芽腫の1例本邦報告99例の発生部位の検討
A case of lipoblastoma on the back of the hand: A review of lesional sites in 99 cases from Japanese literatures
近藤 章生
1
,
品川 はる美
1
,
塗木 裕子
1
,
梅澤 慶紀
1
,
太田 幸則
1
,
飯塚 万利子
1
,
松山 孝
1
,
小澤 明
1
,
赤松 正
2
,
宮坂 宗男
2
Akio KONDOH
1
,
Harumi SHINAGAWA
1
,
Hiroko NURUKI
1
,
Yoshinori UMEZAWA
1
,
Yukinori OHTA
1
,
Mariko IIZUKA
1
,
Takashi MATSUYAMA
1
,
Akira OZAWA
1
,
Tadashi AKAMATSU
2
,
Muneo MIYASAKA
2
1東海大学医学部医学科専門診療学系(皮膚科学)
2東海大学医学部外科学系(形成外科学)
1Specialized Clinical Science (Dermatology),Tokai University,School of Medicine
2Surgery(Plastic Surgery),Tokai University School of Medicine
キーワード:
脂肪芽腫
,
手
,
好発部位
Keyword:
脂肪芽腫
,
手
,
好発部位
pp.843-845
発行日 2004年9月1日
Published Date 2004/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100803
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6か月,女児.生後3か月頃に左手背の腫瘤に気付いた.以後腫瘤は徐々に増大した.初診時, 5cm大の腫瘤を左手背に認めた.腫瘍の硬さは弾性軟だが,脂肪腫と比べやや硬く触知された.超音波・CT上は,脂肪濃度で内部不均一,隔壁構造を伴っており,脂肪由来の腫瘍が疑われた.生後8か月時に生検を施行し,病理組織学的所見では,脂肪芽細胞が散見され,異型細胞は認めず,脂肪芽腫と診断した.その後,急速に増大したため,10か月時に摘出術を施行したが,手指機能温存のため腫瘍の完全摘出は困難で,再発の可能性が残った.本症の本邦報告99例について文献的に検討した.その結果,手背発生例の報告は自験例だけであり,また従来,好発部位は体幹,四肢とされていたが,体表面積から考えると頸部での発生頻度が高かった.
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