Erythema Gyratum Repens様の皮疹を残し改善した抗ラミニンγ1類天疱瘡

Erythema gyratum repens-like erythema in a patient with resolving anti-laminin γ1 pemphigoid

54歳，男性。初診1カ月前より体幹，上肢に辺縁に緊満性水疱を伴う環状紅斑が出現したため，当院を受診した。諸検査により抗ラミニンγ1類天疱瘡と診断された。プレドニゾロン内服により水疱は消退したが，背部などにerythema gyratum repens（EGR）様の木目状ないし波紋状の紅褐色斑を残した。内臓悪性腫瘍を検索したが，発見できなかった。EGRは内臓悪性腫瘍のデルマドロームとして有名だが，近年，内臓悪性腫瘍を伴わないEGRの報告も増えており，自験例のように水疱症などの皮膚疾患でEGRに類似した皮疹を呈しうることに注意が必要である。