特集 原因が明らかになった皮膚病
臨床例
肝腫瘍を合併したerythema gyratum repens
山崎 まりな
1
,
志村 智恵子
,
片桐 一元
1獨協医科大学埼玉医療センター 皮膚科
キーワード:
Dapsone
,
Steroids
,
肝臓腫瘍
,
抗炎症剤
,
腫瘍随伴症候群
,
鑑別診断
,
多剤併用療法
,
経口投与
,
経皮投与
,
Loratadine
,
Olopatadine
,
紅斑-匍行性迂回状
,
デルマドローム
Keyword:
Olopatadine Hydrochloride
,
Administration, Cutaneous
,
Administration, Oral
,
Anti-Inflammatory Agents
,
Diagnosis, Differential
,
Dapsone
,
Drug Therapy, Combination
,
Liver Neoplasms
,
Paraneoplastic Syndromes
,
Steroids
,
Loratadine
pp.169-172
発行日 2018年2月1日
Published Date 2018/2/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2018215408
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<症例のポイント>特徴的な皮疹からerythema gyratum repens(以下、EGR)と診断し、精査にて肝臓に多発転移性腫瘍を発見した。3ヵ月前からわずかにそう痒を伴う皮疹が出現し、次第に拡大。体幹では環状紅斑が癒合、大腿では木目状、波紋状を呈し、典型的臨床像であった。皮膚病理組織学的所見では錯角化、表皮肥厚、真皮上層の血管周囲への単核球浸潤があり、非特異的な所見であった。ジアフェニルスルホン75mg/dayを1ヵ月間内服したところ皮疹は消褪した。腫瘍の治療を行わずに皮疹が消褪することもあるが、特定の治療の有効性は指摘されておらず比較的まれな現象と考えた。
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