憧鉄雑感
第117回 その道の権威と呼ばれて……
安部 正敏
1
Masatoshi ABE
1
1医療法人社団 廣仁会 札幌皮膚科クリニック
pp.2113-2113
発行日 2021年12月1日
Published Date 2021/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003018
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“心配していたけど先生にみていただけて光栄でございます” 医師として最高の賛辞に満足である。紫外線障害に悩む患者は,どの医療機関を受診しても不満が残った。 “宅の知り合いが外科の先生でして,ご相談したらこちらの院長先生は紫外線の権威だそうで……” 昭和のホームドラマの如く配偶者を呼称する淑女は上品な笑顔である。 “思い切って伺ってようございました。ご免遊ばせ……” 大正の映画の如き有閑マダムは優雅な振る舞いと共に診療室を後にした。無論,筆者が紫外線の権威とは程遠いが悪い気はしない。一般市民よりちょっぴり知識は上である……と思いながらふと紹介状を見直す。日付がおかしい。1年も前に書かれたものである。筆者が院長に昇格したのは僅か3カ月前であった……。
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