Japanese
English
症例報告
臍部に生じたsilent typeの子宮内膜症の1例
A case of umbilical silent endometriosis
沢辺 優木子
1
,
冲永 昌悟
1
,
田中 隆光
1
,
鎌田 昌洋
1
,
大西 誉光
1
,
多田 弥生
1
Yukiko SAWABE
1
,
Shogo OKINAGA
1
,
Takamitsu TANAKA
1
,
Masahiro KAMATA
1
,
Takamitsu OHNISHI
1
,
Yayoi TADA
1
1帝京大学医学部皮膚科学講座
1Department of Dermatology, Teikyo University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
臍部
,
皮膚子宮内膜症
,
silent type
Keyword:
臍部
,
皮膚子宮内膜症
,
silent type
pp.177-180
発行日 2020年2月1日
Published Date 2020/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205955
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要約 38歳,女性.流産4回,帝王切開2回の既往あり.1か月前より臍窩の自覚症状のない大豆大の結節に気づいた.月経周期による大きさの変化などもなし.結節は1.3cm大の表面平滑な類円形で茶褐色調を呈し,弾性硬で下床との可動性はやや不良であった.エコーでは不均一な低エコーの血流豊富な結節で,CTでは腹腔内と連続性なく,骨盤内に占拠性病変はなかった.全摘し,病理組織から子宮内膜症と診断.臍部の子宮内膜症は疼痛など自覚症状を伴うことが多く,月経周期に一致して変動することもあるが,自験例のような自覚症状を伴わないsilent typeも1割程度存在する.silent typeでは臨床的な特徴はなく,臨床像のみでの診断は難しく,臍部の腫瘤性病変には,先天性形成異常や良性腫瘍のほか,悪性腫瘍も鑑別に挙げられるため,より詳細な問診とともに速やかな組織学的検査や画像検査を行うことが重要であると考えられる.
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