Japanese
English
症例
ヒトヒフバエ症の1例
Botfly myiasis due to Dermatobia hominis
二瓶 達也
1
,
木庭 幸子
1
,
高本 雅哉
2
,
林 利彦
3
,
奥山 隆平
1
Tatsuya NIHEI
1
,
Yukiko KINIWA
1
,
Masaya TAKAMOTO
2
,
Toshihiko HAYASHI
3
,
Ryuhei OKUYAMA
1
1信州大学医学部,皮膚科(主任:奥山隆平教授)
2同,感染病態解析学
3国立感染症研究所,昆虫医科学部
キーワード:
ヒトヒフバエ
,
Dermatobia hominis
,
蠅蛆症
Keyword:
ヒトヒフバエ
,
Dermatobia hominis
,
蠅蛆症
pp.1959-1963
発行日 2021年11月1日
Published Date 2021/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002968
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75歳,男性。初診2カ月前に南米ガイアナに滞在歴があった。初診2週間前より顔面と頭部に合計3カ所の有痛性の皮下腫瘤を生じた。近医で癤と診断され,抗菌薬を投与されたが改善しなかったため,当科を受診した。皮下腫瘤は約5cm大で中央に瘻孔があり,漿液性の排膿があった。ダーモスコピーでは瘻孔内に虫体の気門が観察され,高周波超音波検査で内部に虫体が動く様子が確認できた。小切開により体長1~2cmの虫体を3匹摘出し,ヒトヒフバエの第3齢幼虫を同定した。本種は本邦には生息していない寄生性のハエである。海外渡航歴がある場合には,ヒトヒフバエによる蠅蛆症も念頭に置き,ダーモスコピーや超音波検査を活用して診断する必要がある。
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