書評
大原アトラス5 色素性の母斑(大原國章・著)
田村 敦志
1
1伊勢崎市民病院皮膚科
pp.1439-1439
発行日 2021年8月1日
Published Date 2021/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002804
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まず,驚いたのは「色素性の母斑」だけでこの分厚さかという,アトラスとしての本書の内容量である。臨床アトラスという性格からしてこれだけの分量になるということは,本質的には同じような写真が何枚も並んでいるであろうことを想像した。しかし,目次を見るとさまざまな角度からそれぞれの母斑が分類されており,まれな臨床型・病態から自然経過,多様な治療後の経過まで,母斑診療に欠かせない要素を系統的に集積した内容であることがわかる。さらに中身を見ればどの写真もそれが数多くの経験症例のなかから意図をもって選別されたものであることが理解できる。多様な臨床および病理組織写真に加え,適宜,ダーモスコピー所見やメラノーマとの鑑別点なども盛り込まれていて,母斑のことなら何でもわかるアトラスとなっている。
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