特集 皮疹はこう見る,こう表現する
よく見る皮膚疾患を発疹レベルで理解する
〈良性腫瘍〉
色素性母斑
入澤 亮吉
1
1東京医科大学皮膚科学分野
キーワード:
色素性母斑
,
nevus pigmentosus
,
色素斑
,
pigmented spot
,
結節
,
nodule
Keyword:
色素性母斑
,
nevus pigmentosus
,
色素斑
,
pigmented spot
,
結節
,
nodule
pp.1948-1949
発行日 2020年10月10日
Published Date 2020/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402227264
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▶疾患の概要
色素性母斑の母斑細胞は神経櫛(neural crest)由来の細胞でメラニン細胞に類似し,メラニン色素の産生能を有する1).メラニン色素は黒色のユーメラニンと黄色のフェオメラニンが存在するが,日本人においては白人と比較してユーメラニンの比率が高い2).色素性母斑の色調はこのメラニンの量と,局在の深さによって決定される3).例えば表皮真皮境界部にメラニン色素があれば褐色調を呈し,この量が多量となれば黒色調を呈する.青色母斑のごとく真皮中層にメラニン沈着があれば青色調を呈するが,真皮内母斑においては概して真皮直下の母斑細胞のみがメラニンを産生するため灰色〜黒色を呈する2).
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