--------------------
書評 ―著:大原 國章―皮膚疾患のクロノロジー―長期観察で把握する母斑・腫瘍の全体像
飯塚 一
1
1旭川医科大学皮膚科学講座
pp.187
発行日 2013年2月1日
Published Date 2013/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103551
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
これは驚くべき本である.少なくとも筆者が知る限り,皮膚科関係では類書を見ない.このようなクロノロジーのアプローチが可能になるためには,膨大な症例の蓄積を要するが,著者の大原國章先生は,鮮明な臨床写真を,経時的に揃え,かつ強い説得力を持った提示を行っている.
周知のように,大原先生は,皮膚科における手術のエキスパートとして,虎の門病院で全国の若手皮膚科医の手術トレーニングにあたった方である.技術のみならず手術そのものの考え方も教え込んだ.全国各地に散らばっている弟子は筆者の教室にも存在するが,彼らが一様にいうことは,皮膚科医としての大原先生の恐るべき眼であり,そもそも手術適応についての厳しい評価である.
Copyright © 2013, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.