Japanese
English
特集 真菌症
飼い犬からの感染と考えられるMicrosporum canisによる体部白癬
Tinea corporis caused by Microsporum canis possibly through the pet dog
後藤 祐介
1
,
井上 円
1
,
水谷 陽子
1
,
米玉利 準
2
,
丹羽 麻由美
2
,
清島 真理子
1
Yusuke GOTO
1
,
Madoka INOUE
1
,
Yoko MIZUTANI
1
,
Jun YONETAMARI
2
,
Ayumi NIWA
2
,
Mariko SEISHIMA
1
1岐阜大学,皮膚科(主任:清島真理子教授)
2同,細菌検査室
キーワード:
Microsporum canis
,
体部白癬
,
イヌ
,
質量分析法
,
MALDI-TOF MS
Keyword:
Microsporum canis
,
体部白癬
,
イヌ
,
質量分析法
,
MALDI-TOF MS
pp.287-291
発行日 2021年3月1日
Published Date 2021/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002427
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64歳,女性。2カ月前,左頸部に紅斑が出現し,その後増加した。他院でステロイド外用治療を受けたが改善せず,当科を受診した。頸部全周,両頰,右鎖骨部に爪甲大の紅斑が多発していた。鱗屑の直接鏡検で真菌を検出し,真菌培養と質量分析法MALDI-TOF MSによりMicrosporum canisを同定した。イトラコナゾール内服およびルリコナゾール外用で一旦治癒したが,内服中止後再発した。飼い犬の毛からも同菌が同定された。本人および飼い犬に対し抗真菌薬投与を行い治癒した。その後再燃はない。Microsporum canis感染症では患者本人の治療だけでなく,感染源を特定し,それに対する適切な治療を行うことが重要である。
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