Japanese
English
症例
多量飲酒患者の腹部に生じた良性対称性脂肪腫症の1例
Benign symmetrical lipomatosis of the abdomen associated with high alcohol intake
小川 玲子
1
,
勝野 正子
1
,
水野 尚
1
Reiko OGAWA
1
,
Masako KATSUNO
1
,
Takashi MIZUNO
1
1小田原市立病院,皮膚科(主任:水野 尚部長)
キーワード:
良性対称性脂肪腫症
,
腹部
,
多量飲酒
,
肝機能障害
,
脂質異常症
Keyword:
良性対称性脂肪腫症
,
腹部
,
多量飲酒
,
肝機能障害
,
脂質異常症
pp.253-257
発行日 2021年2月1日
Published Date 2021/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002404
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50歳,男性。多量飲酒歴あり。1年前から両側の腹部腫瘤を自覚し,当科を受診した。腹部に弾性軟の皮下腫瘍が左右対称性にあり。腹部単純CTで皮下に被膜を有さない多房性の脂肪濃度の皮下腫瘤を認めた。病理組織像で,異型のない成熟脂肪細胞の増生を認め,良性対称性脂肪腫症と診断した。機序は不明だが,多量飲酒歴のある30~60歳代の男性に多く,頸部,体幹,四肢近位部に好発する。本邦では頸部,体幹,上肢のいずれにも生じた症例の報告が多く,自験例のように体幹のみに生じた症例は比較的まれである。また,通常の脂肪腫と異なり被膜を有さず周囲との境界が不明瞭であり,腫瘍の残存および再発の可能性があるため注意深い経過観察が必要と思われた。
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