Japanese
English
症例報告
良性対称性脂肪腫症の1例
A case of benign symmetrical lipomatosis
東條 理子
1
,
古川 裕利
1
,
高橋 政史
1
,
舘下 亨
1
,
佐久間 陽子
1
,
元木 良和
1
,
小野 一郎
1
,
金子 史男
1
Michiko TOJO
1
,
Hirotoshi FURUKAWA
1
,
Masabumi TAKAHASHI
1
,
Tooru TATESHITA
1
,
Youko SAKUMA
1
,
Yoshikazu MOTOKI
1
,
Ichiro ONO
1
,
Fumio KANEKO
1
1福島県立医科大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Fukushima Medical University School of Medicine
キーワード:
脂肪腫
,
良性対称性脂肪腫症
,
アルコール
Keyword:
脂肪腫
,
良性対称性脂肪腫症
,
アルコール
pp.357-359
発行日 2002年4月1日
Published Date 2002/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412903905
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良性対称性脂肪腫症は頸部,体幹および四肢に左右対称性,びまん性に脂肪組織の増殖をきたし,独特な外観を呈する稀な疾患である.症例は55歳,男性.42歳時よりアルコール性慢性肝炎を指摘されていた.その後,45歳頃より頸部,背部,両側上腕部の腫脹に気づき,54歳時に後頸部の腫脹は脂肪腫と診断され,精査・加療のため当科に入院した.入院時所見では,身長,体重に比して躯幹はやや肥満を示し,頸部,胸背部,肩部,両側上腕部に境界不明瞭で柔らかい皮下の腫瘤状隆起が左右対称性にみられた.生検所見では被膜のない正常の脂肪組織像であった.本症の成因についてはアルコール多飲,高脂血症,高尿酸血症,OGTT異常,内分泌疾患などの報告があり,その典型例と考えられた.
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