Japanese
English
症例報告
多形紅斑様皮疹を生じたヒル咬傷の1例
A case of erythema multiforme associated with a land leech bite
大澤 絢香
1
,
梅澤 慶紀
2
,
福地 修
1
Ayaka OSAWA
1
,
Yoshinori UMEZAWA
2
,
Osamu FUKUCHI
1
1厚木市立病院皮膚科
2東京慈恵会医科大学皮膚科学講座
1Department of Dermatology, Atsugi City Hospital, Atsugi, Japan
2Department of Dermatology, The Jikei University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
ヒル
,
発熱
,
発疹
,
多形紅斑
Keyword:
ヒル
,
発熱
,
発疹
,
多形紅斑
pp.253-257
発行日 2024年3月1日
Published Date 2024/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207228
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要約 75歳,男性.初診10日前にヤマビルに左腋窩と左上腕の2か所を吸血された.その7日後から,咬部に紅斑,四肢,体幹に紅色丘疹と小型の紅斑が出現した.また同時期に39 ℃台の発熱や全身倦怠感を生じたため当科を受診した.血液検査では,AST 86 U/l,ALT 48 U/l,CRP 4.08 mg/dlと異常値がみられた.ヒル咬傷に続発した発熱と紅斑を考え,プレドニゾロン20 mg/日とベポタスチンベシル酸塩酸塩20 mg/日を開始した.治療2日後には解熱し,7日後にはヒル咬部の紅斑と全身の皮疹も消退した.自験例はプレドニゾロン投与後に臨床症状が改善したこと,刺入部の好酸球浸潤が強かったことからヒルの唾液成分に対するアレルギー反応として全身に紅斑が出現したと考えた.既報告では,ヒル咬傷によるリケッチア感染症の報告があるため,自験例のように高熱を生じた症例では感染症の鑑別を行うべきであった.
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