Japanese
English
症例
脂腺母斑に生じ,一部に悪性化を伴った乳頭状汗管囊胞腺腫の高齢男性例
Syringocystoadenoma with Partial Malignant Change Arising in Sebaceous Nevus
前田 学
1
Manabu MAEDA
1
1八幡病院,皮膚科
キーワード:
脂腺母斑
,
基底細胞癌
,
乳頭状汗管囊胞腺腫
,
腺癌
,
ダーモスコピー
Keyword:
脂腺母斑
,
基底細胞癌
,
乳頭状汗管囊胞腺腫
,
腺癌
,
ダーモスコピー
pp.1937-1940
発行日 2020年12月1日
Published Date 2020/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002311
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71歳,男性。生後間もなく,右耳介上部に脱毛を伴う疣贅状皮疹が出現し,放置していた。10年前より同部が隆起性となり,数年前から,さらに隆起し,当科を受診した。自覚症状はなかった。初診時,右耳介上部の側頭部に51×41×19mm大の腫瘤を認め,表面は紅色でびらんを伴い多房性・多結節性で,周辺の上部に色素沈着を伴う小結節が集合していた。皮膚生検で脂腺母斑に乳頭状汗管囊胞腺腫を合併したと診断。1~2mmマージンで全摘出後,V-Yフラップ術を行った。脂腺母斑に基底細胞癌全体の1~2割に悪性化を認める乳頭状汗管囊胞腺腫が合併していた。1年余の現在,転移や再発はない。脂腺母斑の長期経過中,基底細胞癌と乳頭状汗管囊胞腺腫に悪性化を生じるのは比較的まれである。
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