Japanese
English
症例
幼児の頭部に生じた乳頭状汗管囊胞腺腫の1例
Syringocystadenoma papilliferum on the infant scalp
伊藤 裕代
1
,
吉田 亜希
1
,
岸 晶子
1
,
林 伸和
1
Hiroyo ITO
1
,
Aki YOSHIDA
1
,
Akiko KISHI
1
,
Nobukazu HAYASHI
1
1虎の門病院,皮膚科(主任:林 伸和部長)
キーワード:
乳頭状汗管囊胞腺腫
,
頭部
,
幼児
,
脂腺母斑
Keyword:
乳頭状汗管囊胞腺腫
,
頭部
,
幼児
,
脂腺母斑
pp.1277-1280
発行日 2022年6月1日
Published Date 2022/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003393
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1歳,男児。生後4カ月で後頭部の痂皮を伴う紅斑に気づいた。乳児血管腫として経過観察されていたが,拡大傾向があるため当科を受診した。後頭部正中にびらんを伴う紅色結節を認め,4歳時に全切除した。組織学的には,腫瘍は乳頭状に増殖する隆起性病変で,間質を伴う囊腫様構築を認めた。囊腫壁は2層の腺管構造を示し,間質には形質細胞が浸潤していた。真皮浅層にはアポクリン腺が密に集簇していたが,脂腺の増殖はなかった。以上より,乳頭状汗管囊胞腺腫と診断した。真皮のアポクリン腺増生について,4カ月時に紅斑を認めていたことから,先行病変が存在した可能性,もしくは本症そのものの真皮内病変である可能性を考えた。
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