症例
胸部に生じた乳頭状汗管囊胞腺腫の1例
杉田 美樹
1
,
川瀬 正昭
1
,
伊東 慶悟
2
,
江藤 隆史
1
1東京逓信病院,皮膚科(主任:江藤隆史部長)
2東京慈恵会医科大学,皮膚科
キーワード:
乳頭状汗管囊胞腺腫
,
有茎性腫瘤
,
胸部
,
滲出性病変
Keyword:
乳頭状汗管囊胞腺腫
,
有茎性腫瘤
,
胸部
,
滲出性病変
pp.1733-1736
発行日 2017年10月1日
Published Date 2017/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000252
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69歳,男性。5年前より左胸部に軟らかい有茎性腫瘤が生じ,徐々に増大し表面が浸軟し出血を伴ったため当科を受診した。左胸部に13mm大の有茎性腫瘤を認め,付属器腫瘍を疑い外科的に切除した。病理組織学的所見では表皮から連続した囊腫様構築を認め,囊腫内腔に向かって乳頭腫状増生を示し,内腔面では断頭分泌があった。以上より乳頭状汗管囊胞腺腫(SCAP)と診断し,臨床像としては,有茎性腫瘤を呈して胸部に生じたまれな症例であった。SCAPは頭部に生じることが多いが,頭部以外に単独発生した場合さまざまな形態を呈することがあり,腫瘍病変の鑑別疾患として留意すべきと考えられた。
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