Japanese
English
症例
手関節の関節可動域制限を初発症状とし,診断に至った好酸球性筋膜炎の1例
Eosinophilic Fasciitis with Restricted Range of Motion of the Both Wrist as an Initial Symptom
水野 綾音
1
,
竹中 祐子
1
,
石黒 直子
1
Ayane MIZUNO
1
,
Yuko TAKENAKA
1
,
Naoko ISHIGURO
1
1東京女子医科大学,皮膚科学教室(主任:石黒直子教授)
キーワード:
好酸球性筋膜炎
,
皮膚硬化
,
全身性強皮症
,
MRI
Keyword:
好酸球性筋膜炎
,
皮膚硬化
,
全身性強皮症
,
MRI
pp.1455-1458
発行日 2020年9月1日
Published Date 2020/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002173
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49歳,男性。両手関節の背屈制限を初発症状とした。初診時に,両手背から前腕,両下腿全体に深く触れる皮膚硬化があるほか,両手関節,両足関節,両膝関節に可動域制限を伴った。MRI所見では筋膜に異常を認めなかったが,病理組織学的所見では,真皮中下層や脂肪隔壁の膠原線維に増生があり,著明な筋膜の肥厚を確認できた。好酸球性筋膜炎の診断で,プレドニゾロン75mg/日の内服を開始し,皮膚硬化,関節可動域制限ともに軽快した。本症の診断においてはMRI所見で異常が明らかでない場合も,四肢の硬化を深く触れる部位における筋膜を含むen blocの生検が必要と考えた。また,本症では治療開始が遅れると関節拘縮を残す例があることから,早期治療が重要と考えた。
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