Japanese
English
臨床経験
好酸球性筋膜炎の1例
A Case of Eosinophilic Fasciitis
梅原 滋
1
,
保脇 淳之
1
,
永田 行男
1
,
嶋田 亘
1
,
西本 慎作
1
,
菊池 啓
1
,
田中 清介
1
,
橋本 重夫
2
Shigeru Umehara
1
1近畿大学医学部整形外科学教室
2近畿大学医学部病理学教室
1Department of Orthopaedic Surgery, Kinki University Hospital
キーワード:
好酸球性筋膜炎
,
eosinophinic fasciitis
,
好酸球増加症
,
eosinophilia
,
自己免疫疾患
,
autoimmune disease
Keyword:
好酸球性筋膜炎
,
eosinophinic fasciitis
,
好酸球増加症
,
eosinophilia
,
自己免疫疾患
,
autoimmune disease
pp.855-857
発行日 1993年7月25日
Published Date 1993/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901162
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抄録:我々は比較的稀とされる好酸球性筋膜炎の1例を経験したので報告する.症例は45歳男性で,約4~5週間前からコンピュータのキーを打ちすぎた後に両前腕屈側の疼痛を来した.現症は両前腕屈側全体にひまん性の腫脹があり,こわばりと圧痛を認めた,症状および検査所見より,①過度の筋肉労作の先行があり,②急性発症し,③皮膚硬化を認め,④レイノー現象や内臓病変を欠き,⑤末梢血好酸球増多があり,⑥組織学的に筋膜の細胞浸潤・肥厚があったことなどから,好酸球性筋膜炎と診断した.治療には好酸球性筋膜炎は自然寛解例が多いことを考慮して,非ステロイド性抗炎症剤の内服とステロイド剤の局注を行ったところ,症状の軽快傾向を認めた.その後両大腿後面のつっぱり感が出現したため,ステロイド剤の内服を行ったところ,約3カ月で症状は軽快した.現在経過観察中である.
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