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特集 有棘細胞癌
肛門癌に対する放射線療法後に生じた疣状癌の1例
Verrucous Carcinoma Arising after Radiation Therapy for Anal Cancer
金谷 瑠奈
1
,
石地 尚興
1
,
朝比奈 昭彦
1
,
石田 勝大
2
,
大熊 誠尚
3
,
田波 秀朗
4
Luna KANAYA
1
,
Takaoki ISHIJI
1
,
Akihiko ASAHINA
1
,
Katsuhiro ISHIDA
2
,
Masahisa OHKUMA
3
,
Hidero TANAMI
4
1東京慈恵会医科大学,皮膚科学講座(主任:朝比奈昭彦主任教授)
2同,形成外科学講座
3同,外科学講座
4大久保病院,一般外科
キーワード:
放射線
,
verrucous carcinoma
,
疣状癌
Keyword:
放射線
,
verrucous carcinoma
,
疣状癌
pp.1397-1400
発行日 2020年9月1日
Published Date 2020/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002160
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82歳,女性。6年前に肛門内低分化型扁平上皮癌に対し,放射線療法,姑息的局所切除術,化学療法を施行された。1年前に肛門外に硬結を触知し放置していたが,増大傾向のため,当科を受診した。径3cm大,乳頭腫状の角化性腫瘤を姑息的に切除した。病理組織学的所見は,乳頭腫状に発育する高分化型扁平上皮癌で,一部真皮に浸潤を認めた。PCR法でhuman papillomavirus(HPV)は陰性であった。慢性放射線皮膚炎上に生じた疣状癌と考えた。計3回,局所切除術を施行したが,再発を繰り返したため,根治的切除術として当院消化器外科および形成外科で,腹腔鏡下直腸切断術ならびに肛門周囲皮膚切除,皮膚欠損部筋皮弁術を行った。最初の肛門癌に対して,機能温存の観点から放射線療法および姑息的切除が選択されたが,当初から根治的切除が選択されていれば,むしろ患者の苦痛を軽減できていたのではないかと考えた。
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