Japanese
English
症例報告
頭皮瘢痕上に生じた疣状癌
Verrucous Carcinoma Arising from the Scar of the Scalp
木村 俊次
1
,
畑 康樹
1
Shunji KIMURA
1
,
Yasuki HATA
1
1国家公務員等共済組合連合会立川病院皮膚科
1Division of Dermatology, Kyosai Tachikawa Hospital
キーワード:
疣状癌
,
verrucous carcinoma
,
頭皮瘢痕
,
若年者
Keyword:
疣状癌
,
verrucous carcinoma
,
頭皮瘢痕
,
若年者
pp.1117-1120
発行日 1993年11月1日
Published Date 1993/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901056
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
29歳男子の右側頭の手術瘢痕部に生じた,年齢的・部位的に稀な疣状癌の1例を報告した.臨床的には表面が粗大および微細顆粒状の乳頭腫状腫瘤を呈し,組織学的には異型性は乏しいが不規則な上皮増殖が主に上方突出性に認められるとともに,多数の好酸球・形質細胞を混じる小円形細胞浸潤を示した.疣状癌の概念や位置づけを文献的に検討したところ,高分化型有棘細胞癌というよりも,癌前駆症ないし,より幅広いスペクトルを有する一連の腫瘍群とみなしたほうが適切と考えられた.自験例にみられた好酸球浸潤については,予後良好を示す1つの所見とみなす考え方を支持した.
Copyright © 1993, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.