Japanese
English
症例
カルボキシメチルセルロースによるアナフィラキシーの1例
Anaphylaxis to Carboxymethylcellulose
池田 真帆
1
,
藤本 和久
1
,
伊澤 有香
1
,
江崎 英子
1
,
市山 進
1
,
片岡 佳憧
1
,
山口 華央
1
,
藤沢 篤夫
2
,
帆足 俊彦
1
,
船坂 陽子
1
,
佐伯 秀久
1
Maho IKEDA
1
,
Kazuhisa FUJIMOTO
1
,
Yuka IZAWA
1
,
Eiko ESAKI
1
,
Susumu ICHIYAMA
1
,
Kasho KATAOKA
1
,
Hanao YAMAGUCHI
1
,
Atsuo FUJISAWA
2
,
Toshihiko HOASHI
1
,
Yoko FUNASAKA
1
,
Hidehisa SAEKI
1
1日本医科大学付属病院,皮膚科(主任:佐伯秀久教授)
2国立病院機構東京医療センター,救急センター
キーワード:
トリアムシノロンアセトニド
,
カルボキシメチルセルロース
,
カルメロース
,
アナフィラキシー
Keyword:
トリアムシノロンアセトニド
,
カルボキシメチルセルロース
,
カルメロース
,
アナフィラキシー
pp.1191-1194
発行日 2020年7月1日
Published Date 2020/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002089
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66歳,女性。腰部脊柱管狭窄症にリドカイン(1%キシロカイン®),トリアムシノロンアセトニド(ケナコルト-A®)を用いて仙骨硬膜外ブロック注射を施行したところ,1~2分後に呼吸困難感,胸痛を自覚し,その後意識消失した。アナフィラキシーショックと診断され,前医で加療後,原因精査のため紹介受診した。被疑薬剤のトリアムシノロンアセトニド注射液中の成分を用いた皮内テストで,添加物として含まれているカルボキシメチルセルロースが陽性となった。カルボキシメチルセルロースはセルロースを原料とする高分子で,人体に対して不活性とされているため,増粘剤として医薬品やさまざまな食品,日用品に使用されている。本剤によるアナフィラキシーの本邦報告例は7例のみと比較的まれであるが,他の物質によるアレルギーと誤認識されている症例が少なからずあるものと推測する。
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