Japanese
English
特集 水疱症・膿疱症
肺塞栓症をきたした類天疱瘡の1例
Bullous Pemphigoid with Pulmonary Embolism
山崎 香里
1
,
帆足 俊彦
1
,
市山 進
1
,
田中 真百合
1
,
伊澤 有香
1
,
船坂 陽子
1
,
佐伯 秀久
1
Kaori YAMAZAKI
1
,
Toshihiko HOASHI
1
,
Susumu ICHIYAMA
1
,
Mayuri TANAKA
1
,
Yuuka ISAWA
1
,
Yoko FUNASAKA
1
,
Hidehisa SAEKI
1
1日本医科大学付属病院,皮膚科(主任:佐伯秀久教授)
キーワード:
水疱性類天疱瘡
,
肺塞栓症
,
D-dimer
,
血腫
Keyword:
水疱性類天疱瘡
,
肺塞栓症
,
D-dimer
,
血腫
pp.134-138
発行日 2020年2月1日
Published Date 2020/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000001788
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
81歳,女性。初診の4カ月前より四肢・躯幹に浮腫性紅斑,水疱が出現した。皮膚生検の結果,類天疱瘡の診断となった。ステロイド投与を開始したが,投与17日目に胸部CTで右肺塞栓があり,ヘパリン投与を開始した。その後貧血進行,巨大下腿血腫を認めたため,抗凝固療法は中止した。血漿交換療法と免疫グロブリン大量静注療法を行い,皮疹は軽快した。海外のコホート研究によると,類天疱瘡患者はコントロール群と比較し肺塞栓症を3.12倍,肺炎を2.94倍発症しやすい。類天疱瘡患者に肺塞栓症が生じた本邦報告例は,2000~2018年には3例であり類天疱瘡と肺塞栓症の合併は非常にまれと思われるが,肺塞栓症は致死的になりうるので注意すべきである。
Copyright © 2020, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.