Japanese
English
症例報告
食品に含まれたカルボキシメチルセルロースによるアナフィラキシーの1例
A case of anaphylaxis due to carboxymethylcellulose in food
大堀 侑紀
1
,
峠岡 理沙
1
,
古谷 佳美
1
,
丸山 彩乃
1
,
益田 浩司
1
,
加藤 則人
1
Yuki OHORI
1
,
Risa TAMAGAWA-MINEOKA
1
,
Yoshimi FURUYA
1
,
Ayano MARUYAMA
1
,
Koji MASUDA
1
,
Norito KATOH
1
1京都府立医科大学皮膚科
1Department of Dermatology, Kyoto Prefectural University of Medicine, Kyoto, Japan
キーワード:
アナフィラキシー
,
カルボキシメチルセルロース
,
プリックテスト
Keyword:
アナフィラキシー
,
カルボキシメチルセルロース
,
プリックテスト
pp.993-997
発行日 2024年12月1日
Published Date 2024/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207452
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要約 20歳,女性.フルーツオレやパスタなどを摂取した後に少し走ったところ,全身の蕁麻疹と呼吸困難感を自覚し,救急搬送された.SpO2低下や血圧低下を認め,食物依存性運動誘発アナフィラキシーなどを疑われ,精査のため当科に紹介された.摂取した食品でプリックテストを施行し,フルーツオレで陽性反応を示した.後日成分別にプリックテストを施行したところ,成分の一つであるカルボキシメチルセルロースで陽性反応を示したため,カルボキシメチルセルロースによるアナフィラキシーと診断した.カルボキシメチルセルロースを含む硫酸バリウムや塩酸リドカインなどの医薬品によるアナフィラキシーの症例は過去に報告されているが,食品によるアナフィラキシーの報告はきわめて少ない.医薬品のみならず食品においてもカルボキシメチルセルロースによるアナフィラキシーを発症する可能性があることをアレルギー診療にかかわる医師は認識する必要がある.
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