Japanese
English
症例
イピリムマブ投与後にACTH欠損症を発症した悪性黒色腫の1例
ACTH Deficiency due to Ipilimumab Administered for Advanced Malignant Melanoma
篠倉 美理
1,2
,
藤本 裕子
1
,
神野 泰輔
1,3
,
山﨑 修
1
,
森実 真
1
Minori SASAKURA
1,2
,
Yuko FUJIMOTO
1
,
Taisuke KANNO
1,3
,
Osamu YAMASAKI
1
,
Shin MORIZANE
1
1岡山大学大学院医歯薬学総合研究科,皮膚科学分野(主任:森実 真教授)
2国立療養所長島愛生園
3静岡県立静岡がんセンター
キーワード:
イピリムマブ
,
免疫関連有害事象
,
下垂体炎/下垂体機能障害
,
ACTH欠損症
Keyword:
イピリムマブ
,
免疫関連有害事象
,
下垂体炎/下垂体機能障害
,
ACTH欠損症
pp.1109-1112
発行日 2020年6月1日
Published Date 2020/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002059
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82歳,男性。悪性黒色腫Stage ⅢC(T4bN2bM0),BRAF遺伝子変異なし。イピリムマブ投与開始9週目頃から食思不振・全身倦怠感が出現し入院した。夏季の非特異的症状であり,熱中症との鑑別を要したが,副腎皮質刺激ホルモン(ACTH),コルチゾールが低値であり,ACTH欠損による二次性副腎不全と診断した。ヒドロコルチゾン内服で症状は改善したが,その後ACTH分泌能は回復していない。イピリムマブ誘発性下垂体炎/下垂体機能障害は,非特異的症状での発症も多く,ときに早期診断が困難である。ニボルマブとの併用療法の適応追加に伴い,今後イピリムマブの使用が増えることが予想され,注意が必要である。
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