Japanese
English
症例報告
授乳中に囊腫状結節を呈した右腋窩副乳の1例
A case of accessory mamma on the right axilla manifesting as cystic nodule during lactation
小林 憲
1
,
伊藤 尚子
1
,
伊藤 治夫
1
,
田中 勝
1
,
原田 敬之
1
,
相羽 元彦
2
Ken KOBAYASHI
1
,
Naoko ITO
1
,
Haruo ITO
1
,
Masaru TANAKA
1
,
Takashi HARADA
1
,
Motohiko AIBA
2
1東京女子医科大学東医療センター皮膚科
2東京女子医科大学東医療センター病理科
1Department of Dermatology,Tokyo Woman's Medical University Medical Center East,Tokyo,Japan
2Department of Pathology,Tokyo Woman's Medical University Medical Center East,Tokyo,Japan
キーワード:
副乳
,
腋窩
,
囊腫
,
分泌期乳腺
Keyword:
副乳
,
腋窩
,
囊腫
,
分泌期乳腺
pp.822-825
発行日 2007年9月1日
Published Date 2007/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101770
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
- サイト内被引用 Cited by
要約 29歳,女性.4か月前に第1子を出産し,授乳中である.2006年1月頃より右腋窩に腫瘤を自覚した.3月下旬より圧痛を伴うようになった.当科初診時,右腋窩に径10mm大,表面常色,皮表と癒着し下床と可動性を有する弾性軟の皮下結節を認めた.病理組織像では皮下脂肪織内にほぼ全周性に1~2層の上皮細胞に取り囲まれた,全分泌像を伴う囊腫構造を認めた.免疫組織化学的染色では管腔構造,囊腫壁の上皮細胞がEMA陽性であった.GCDFP-15は管腔構造内の内容物にわずかな陽性を示した.以上の所見より,アポクリン化生および囊腫状拡張を伴う正常乳腺組織と診断した.皮下のみに乳腺組織が存在し,皮下腫瘤として触知される場合,臨床像や組織像は多彩であり,副乳の診断が困難なことも多い.また,自験例のように授乳中に有痛性硬結を主訴とし,病理組織像にて授乳期乳腺を示した報告は稀である.
Copyright © 2007, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.